1996年から学校給食を提供する活動として始まった本事業ですが、2009年より、学校給食に加え、学校建築、学校菜園等の学校に対する介入、そして保健教育や生計向上等の地域への介入を行っています。これまで焦点のあたっていなかった先住民の村でアイキャンが活動を行うことで、行政や現地企業のCSR等の光も当たるようになり、地域が活性化してきています。

ICANミンダナオ北東部事務所(ブキドノン州マライバライ市)
ICANミンダナオ南部事務所(南コタバト州ジェネラルサントス市)
ミンダナオ島ブキドノン州 10村
ミンダナオ島南コタバト州 12村
  ミンダナオ島には、豊かな自然資源や文化があるにも関わらず、現在まで続く不安定な政治状況や農村地域の社会投資の欠如により、人々や地域の可能性は妨げられ、特に農村の先住民は過酷な生活を余儀なくされてきました。
 ミンダナオ島ジェネラルサントス市サンホセ村に住む先住民ブラアンの子どもたちは、往復4時間以上かけて通学をする子どもたちも多く、また学校に着いても校舎や教材不足、町から来る教師の差別的な対応等により、通学を断念する子どもたちも少なくありません。そして本来(先住民の)子どもたちの参加を促すはずの児童会も、ほとんど機能していない状況があります。子どもたちが住む地域において、ヘルスセンターは、約6,000ヘクタールにわたる広大な村の中に1つしかなく、町の医師も月に1回しか来ない状態で、疾患に対して適切な対応がなされていないため、子どもたちが命を落としてしまう現状があります。人々は炭焼きや商品作物の栽培・販売等の不安定かつ低賃金の収入しか見込めない上、以前盛んであった伝統工芸もすたれています。

1996年~現在
  このプロジェクトは、先住民の子どもの「学校給食」を提供する活動として開始し、現在は、「先住民に優しい学校づくり(校舎建設、児童会強化、教師研修)」と「先住民族が文化に根差して持続的に生きていける地域づくり(保健と生計向上研修)」の2つの柱で活動しています。
1) 「先住民に優しい学校づくり(校舎建設、児童会強化、教師研修)」
 (1) 児童会の強化研修
 児童会は、子どもたちの考えを学校運営に反映する上で重要な役割を担うが、先住民の子どもが住む多くの村では、児童会は名前だけで、ほとんど機能していません。先住民の児童を代表し、行事を実施したり、児童の意見を学校運営に反映させる児童会をつくりあげるために、児童会を運営マニュアルハンドブック作成(児童会の役割、規則、活動内容、運営方法、注意事項、自民族について理解を促進する活動等)の研修を行っています。
 (2) 教師の研修
 
街から村の学校に派遣される教員の先住民族に対する理解は低く、一部差別的な扱いをする教員もおり、子どもたちの教育の妨げになっています。そこで、先住民の子どもたちに適した教育が教員によって持続的に行われるように、教師の研修とハンドブック作製の研修を行っています。このハンドブックには、先住民の子どもたちを教える教師たちの指針、先住民についての理解を促進し、先住民の子どもを教える際に注意すべき点、知っておくべき点などが盛り込まれます。
 (3) 小中学校の教室の建設
 先住民の子どもの通う村では、向上する就学者数に対して校舎が不足しているが、教育省の予算不足により、教室不足が解消される見込みが立っていない。そこで、先住民の子どもたちが通う小中学校の教室の建築を行っています。これまでに、この3年間で9教室が完成し、毎年300名以上の子どもたちの教育環境が向上しています。

2) 「先住民が文化に根差して生きていける地域」づくり
 (4) 保健研修の実施
 広大な村に公的な診療所は1つだけであり、村では疾患に対して適切な対応が困難で、簡単に子どもたちが命を落とす現状があります。診療所がない地域において、近所の人々が病気やケガの際に駆け込むことができる約30の「家タイプヘルスポスト」(CHVの自宅を利用した保健施設)が日常の疾患に対して適切に対応し、持続的に地域の保健環境を向上させていくために、更なる保健についての知識向上の研修とヘルスポスト(診療所)の設立研修を行っています。
 (5) 生計向上研修の実施
 ブラアン等の先住民たちの手工芸品は高い評価を受けていましたが、近年衰退しています。また、同時に生計手段が限られ、低収入に陥っています。そこで、先住民伝統文化の再評価と生計向上を目的とした「生計向上グループ」が持続的に生計向上に取り組んでいくために、技術向上と組織化の研修を実施しています。
 (6) トイレの建設
 先住民が多く住む地域では、トイレが十分に整備されておらず、多くの子どもたちが下痢の苦しんでいる現状があります。そこで、「衛生キャンペーン」の一環として、村の約100世帯で、トイレの建設を行っています。
 (7) 植林活動
 村では、森林伐採により、土砂崩れの不安があります。そこで、環境教育や植林を行っています。

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